写真集のはなし4

「美しいヌード」
日本カメラ増刊
藤井秀喜/杵島隆/大竹昌二/秋山庄太郎/中村正也/黒川清司/
水野イサオ/中村立行/稲村隆正/福田和彦/中山陽/椎木厚/
岩瀬禎之/新井覚/松田二三男/草野邦之/塩谷俊雄/上野陽一郎/
千野素行/平賀真/新海昭二/佐藤正治/清岡惣一/鎌田時夫/吉川春樹/村田武

B5版:192ページ
出版社:日本カメラ社
発売日:1975/11/10
サイズ:25.8×18.3×1.4cm

1964年生まれの私にとって、
10才以上年上の男性諸氏が思春期、青春期に
どうやって抜いていたのかは謎だ。
だって、女性写真集なんぞ1970年にはほぼなかったのだよ。

少しだけ、ヒントがあるとすると写真雑誌かなあ、とは考えている。
カメラ毎日、アサヒカメラ、日本カメラとかに代表される、端正なカメラ雑誌群だ。
私の子供時分には写真好きのおじさんに家にあって、
どこを読めばいいんだ、という雑誌という記憶がある。
んで、古本屋を始めてみると、
その中のヌード特集号が結構入手できるのだ。
でああ、なるほどそうだったのね、とはちょっと思った。

さてこの手のヌード特集号を少し眺めて見て、気付いたことがある。
あれですね、全然セクシーじゃないのだ。
単純にはヌードモデルがいて、油絵を描いていたのが、
写真撮影に変わっただけなのだ。
ポーズ一緒ですよ。
うーん、ルノアール大先生が秋山庄太郎先生になっただけ。
だって、モデル関根恵子だよ、ハニー・レーヌだよ、杉本美樹だよ。
それで、これだけ官能性がないなんて。

あれだ。
1980年代の写真集の発達を考えるのには、
そのちょっと前の無官能の思いをいたす必要がありそうだ、と気づかされる。

さて、この手の雑誌はオークションサイトで
ある種の投げ売りをしている方々から、
安く(1000円くらいかな)入手できるかと思う。
入手されたなら、一緒に語り合いませんか。
岡山にてお待ちいたしております。